今回は根拠と説明が多いので理屈っぽくなってます。
MOTU M2でDAWを使っていると、スピーカーからは普通に音が出ているのに、OBSではなぜかDAWの音だけ入らないことがあります。
ゲーム音やYouTubeの音は入るのに、DAWだけ反応しないと、
「M2の故障かな」
「OBSの設定ミスかな」
と迷いやすいですよね。
でも、この症状は故障よりも
音の通り道の違い
で起こることが多いです。
OBSは初期状態だとデスクトップ音声とマイクを拾う前提ですが、うまくメーターが動かない時は、設定からデバイスを手動で選ぶ必要があります。
つまり、OBSに問題があるというより、
OBSが見ている音の入口と、
DAWが実際に使っている出口が違う
ことが原因になりやすいわけです。
この記事では、MOTU M2でDAWの音がOBSに入らない理由を、仕組みと根拠ごと整理しながら解説します。
そのうえで、
・Loopbackを使ってOBSにDAWの音を入れる方法
・LoopbackとLoopback Mixの違い
・確認のコツ
・編集を前提にした録音の考え方
この辺りでつまずきやすいポイントをまとめていきます。
MOTU M2でDAWの音がOBSに入らない原因は、音の通り道が違うから
いちばん大事なのはここです。
・スピーカーから音が出ていること
・OBSがその音を拾えていること
は、同じではありません。
MOTU M2につないだスピーカーから音が鳴っている時点で、DAWからM2までは音が届いています。
ところが、OBSが見ているのは別の入口かもしれません。
OBSのクイックスタートでも、
デスクトップ音声やマイクのメーターが動かない時は、Settings → Audioで正しいデバイスを手動で選ぶ
よう案内されています。
つまり、音が出ているのにOBSで反応しない時は、まず「音が出ていない」のではなく、
OBSが違う場所を見ている
と考えた方が整理しやすいです。
ここでありがちな勘違いが、
「TRSでスピーカーにつないでいるからOBSに入らないのでは」
という考え方です。
けれど、問題の中心は物理的な接続そのものではなく、
どの経路の音をOBSが拾っているか
です。スピーカーへ送られる音と、OBSが入力として認識する音は、同じようでいて別で動いています。
なぜゲーム音は入るのに、DAWの音だけOBSに入らないのか
この疑問はかなり自然です。
実際、ゲーム音やブラウザの音はOBSに入るのに、DAWだけ入らないというケースです。私は悩みました。
その理由のひとつが、
DAWがASIOを使うことが多い
からです。
ASIOはSteinbergが定義したデジタルオーディオ用のドライバプロトコルで、ソフトウェアとサウンドカードの間に低レイテンシーかつ高音質なインターフェースを提供する仕組みです。
要するに、DAWは遅延を減らすために、一般的なWindowsの音声経路よりも、もっと直接的にオーディオインターフェースとやり取りしやすいわけです。
一方で、OBSのDesktop Audioは、OBS側で設定されているデスクトップ音声デバイスを見にいきます。
ゲームやブラウザ音声はこの通常経路に乗りやすいので拾われやすいのですが、
DAWの音はASIO経由でM2へ出ていく
ため、OBSのDesktop Audioがそのまま同じ音を見ていないことがあります。
だから、
ゲーム音は入るのにDAW音だけ入らない
という現象が起こります。
ASIOが関係する理由
ASIOが関係すると聞くと難しそうですが、考え方はそこまで複雑ではありません。
DAWはリアルタイムで演奏したり、音を細かく編集したりするので、遅延が大きいとかなり使いにくくなります。
そのため、Windowsの一般的な音声処理を経由するより、ASIOでM2へ直接近い形で音を送る方が都合がいいわけです。Steinbergも、ASIOを低レイテンシー・高忠実度のインターフェースとして説明しています。
つまり、DAWの世界では
「音をちゃんと鳴らす」
だけでなく、
「遅れずに鳴らす」
ことも同じくらい重要です。
その結果、DAWの音はM2には届いていても、OBSのDesktop Audioへは入力されないことがあります。
ここを理解しておくと、
「音が出ているのにOBSで無反応」
という症状に出会っても、変に機材を疑いすぎずに済みます。
MOTU M2のLoopbackとは何か
この症状を解決するうえで重要になるのが、MOTU M2の
Loopback
です。
MOTUのM Seriesユーザーガイドでは、Loopback 1-2は
「コンピューターから出力1-2へ送られた音を、Loopback 1-2の入力としてコンピューターへ戻す仕組み」
として説明されています。
さらに、これを使えば、その信号をソフトで録音したり、Web配信やポッドキャスト配信で使ったりできると案内されています。つまりLoopbackは、
すでにM2の出力に来ている音を、もう一度PC側の入力として見せ直すための機能
です。
この説明をそのまま今回の症状に当てはめると分かりやすいです。
DAWの音はM2の出力1-2には来ている。
でもOBSはその音を直接入力できてない。
なら、
M2のLoopbackでその音をPCへ返し、OBSに入力として拾わせればいい。
これが、
MOTU M2でDAWの音がOBSに入らない時にLoopbackが必要になる理由
です。
MOTU M2でDAWの音をOBSに入れる設定方法
設定の流れ自体は、そこまで難しくありません。
大事なのは、なぜその設定にするのかを理解したうえで触ることです。
まずOBSで
「音声入力キャプチャ」
を追加します。次に、そのデバイスとして
Loopback (MOTU M Series)
を選びます。
これで、M2の出力1-2へ送られているDAWの音を、OBSが入力ソースとして受け取れるようになります。
MOTUの説明どおり、Loopback 1-2は
「出力1-2に送った音をコンピューターへ戻す入力」
なので、この設定で大丈夫です。
一方で、OBSのDesktop Audioは、環境によっては無効にするかミュートしておいた方が整理しやすいです。
OBSは標準でデスクトップ音声を拾うようになっているため、あとから別のPC音やゲーム音を扱う時に、別ルートで同じ音を取りにいって混乱することがあります。
今回のテーマは
「入らない」
を直すことですが、最初から入口を整理しておくと、あとで設定が分かり難くならなくて済みます。
LoopbackとLoopback Mixの違い
ここはかなり重要です。名前が似ているので、初見だと混乱しやすい部分です。
MOTUのM Seriesユーザーガイドでは、Loopback 1-2 Mixは、コンピューターから出力1-2へ送られた音に加えて、インターフェースのライブ入力信号も混ぜてコンピューターへ返すものとして説明されています。
たとえば、PCで流している音楽にマイク入力を重ねて、そのまま配信や録音へ送りたい時に向いています。
逆に、
DAWの音だけをまずきれいにOBSへ入れたい
なら、最初はLoopback 1-2の方が分かりやすいです。
つまり、整理するとこうです。
DAW音だけをOBSへ入れたいなら
Loopback 1-2
PC音とマイク音をまとめて返したいなら
Loopback Mix 1-2
ここをごちゃっとすると、
「音は入るけど想定より混ざる」
という別の沼に入りやすいです。
TRSでスピーカーにつないでいることは原因なのか
これはかなり多くの人が気になる部分だと思います。
結論から言うと、
TRSでスピーカーにつないでいること自体が直接の原因ではない
と考えて大丈夫です。
スピーカーへ音が出ているということは、少なくともDAWからM2の出力までは音が届いています。
今回つまずいているのは、
その音をOBSがどう認識するか?
です。MOTUのLoopbackは、まさにその
「すでに出ている音を、入力として返す」
ための機能なので、焦点は物理ケーブルではなく、
出力済みの音がOBSへの入力経路を作れているかどうか
です。
だから、TRS接続を疑うより先に、OBSにLoopbackを入力として追加できているか、Desktop Audioと混同していないか、この辺りを見直した方が原因に近づきやすいです。
OBSにDAWの音が入ったか確認する方法
設定が終わったら、次は確認です。
ここで一気に全部鳴らすと、何が合っていて何がズレているのか分かりにくくなります。
OBS公式は、録画や配信の前に数分テストして問題がないか確認することを強く勧めています。
だから、確認の時は
まずDAWだけ鳴らす
のが基本です。Loopbackのメーターだけが動くかを見れば、
「DAW音がOBSへ来ているか」
を切り分けやすくなります。
次に必要ならマイクだけ確認し、最後に短く録画して聞き返す。
この順番にすると、見た目だけ合っていて実際は違う、というトラブルを減らしやすいです。
実際の確認手順は、次の流れがおすすめです。
- DAWだけ再生する
- OBSのLoopbackメーターが動くか確認する
- 必要ならマイクだけ別で確認する
- 10秒でもいいので短く録画して聞き返す
設定は合っていたのに、最後の録画確認を飛ばしていたせいで気づかなかった、というのはわりとよくある話です。
最後のひと押し、大事です。
あとで動画編集するなら、マイク音とDAW音は分けて録るのがおすすめ
ここは少し発展編ですが、かなり実用的です。
録画した動画をあとで編集する予定があるなら、
マイク音とDAW音を最初から別ソース・別トラックで録る
方が圧倒的に扱いやすいです。
OBSの複数音声トラック録画ガイドでは、各音声ソースを個別の録音トラックに割り当てる方法が案内されています。
さらに、標準的な動画プレーヤーは通常1つの音声トラックしか再生しないため、公開前に毎回編集しないなら、Track 1に全部入りを入れつつ、Track 2以降を分離用に使う構成が勧められています。つまり、
編集前提なら最初から分けて録る意味はかなり大きい
です。この考え方でいくなら、
・マイクはM2の通常入力
・DAW音はLoopback 1-2
という分け方が分かりやすいです。
あとから音声分離機能に頼るより、最初から別素材として録れている方が、音量調整もノイズ処理も圧倒的に楽になります。
MOTU M2でDAWの音がOBSに入らない時のチェックポイントまとめ
MOTU M2でDAWの音がOBSに入らない時は、まず
「音が出ていない」
のではなく、
OBSが違う音の通り道を見ている
と考えると整理しやすくなります。
OBSは標準でデスクトップ音声とマイクを拾う前提ですが、DAWはASIO経由でM2へ音を送ることが多いため、Desktop Audioと同じルートに乗らないことがあります。
そこでM2のLoopbackを使うと、出力1-2へ送った音をPCへ戻して、OBSの入力として拾えるようになります。
ポイントをまとめると、次の通りです。
- スピーカーから音が出ていても、OBSがその音を見ているとは限らない
- DAW音が入らない主な理由は、ASIOとDesktop Audioの経路の違い
- OBSでは「音声入力キャプチャ」でLoopbackを選ぶと整理しやすい
- Loopbackで音が入ったらディスクトップ音声をミュートする
- DAW音だけならLoopback 1-2、マイクも混ぜるならLoopback Mix 1-2
- あとで編集するなら、マイク音とDAW音は最初から別トラックで録る方が楽
MOTU M2とOBSの設定は難しく見えますが、やっていること自体はシンプルです。
どの音が、どの道を通って、どこに返っているのか
この1本が見えるだけで、設定画面の印象がかなり変わります。
ではでは・・・



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